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自分自身に対しての誇り

・・・彼らは、富の集中する首都ローマに流れ込んだ。研究者たちの推計によれば、ローマの人口の七パーセントにもおよんだというから、これはもう立派に社会問題である。
 といって、福祉を充実させれば解消する問題ではない。失業者とは単に職を失ったがゆえに生活の手段を失った人々ではない。社会での自らの存在理由を失った人々なのだ。終日、樽の中に寝ていても人間の尊厳を保てた哲学者ディオゲネスのような人物は、あくまでも少数派である。多くの普通人は、自らの尊厳を、仕事をすることで維持していく。ゆえに、人間が人間らしく生きていくために必要な自分自身に対しての誇りは、福祉では絶対に回復できない。職をとりもどしてやることでしか、回復できないのである。
  ー塩野七生「ローマ人の物語」文庫版6(新潮社)より 

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