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自己改革

 しかし、いかなるシステムにも生命はある。カルタゴを降して地中海世界の覇者になったローマに、勝者の混迷が襲う。理由の第一は、いかなるシステムも避けることのできない動脈硬化現象。第二は、勝者になったがゆえの、直面する問題の質の変化。
 それまでプラスに機能していたと同じものが、環境の変化によって、マイナスに機能するように変わったのである。
 人間にとっては、ゼロから起ち上がる場合よりも、それまでは見事に機能していたシステムを変える必要に迫られた場合のほうが、よほどの難事業になる。後者の場合は、何よりもまず自己改革を迫られるからである。自己改革ほど、とくに自らの能力に自信をもつのに慣れてきた人々の自己改革ほど、むずかしいことはない。だが、これを怠ると、新時代に適応した新しいシステムの樹立は不可能になる。

 「ローマ人の物語12」塩野七生(新潮文庫)より

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