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2011年10月15日 (土)

日下公人「いま、日本が立ち上がるチャンス」

 80歳も越え、依然として深い見識と自由自在な発想、バイタリティーに衰えはない。考え方の枠組みが確立しているので、どんな状況に対してもクリアーに頭の整理がされている。かつて長銀の竹内宏氏は日下氏を評して「なまずのような人」と評していたものだ。
 本書も原発事故以降の状況に関し大局的な観点からいろいろ論じているが、底流に流れるメッセージの私なりの理解は、結局のところ「自分の足で立って生活、人生を切り開け」である。
 あとがきだけ少し抜粋したい。「東日本大災害を機に、日本は大きく変わり始めた。これまで日本の舵取りをしていた人の信用失墜にともなって、庶民のパワーが上昇してきた。庶民の世界は昔より理屈より常識、理論より実際、理想より現実で、時代がそのようにきりかわっていくと、これまでの時代がいかに思いこみだらけだったかが、見えてくる。学校で教わったことにかわって、子供の頃、父母、祖父母から聞いた話が耳に復活してくる。日本人の暗黙知が蘇ってくる。漢語や英語ではうまく表現できないその気持ちの盛り上がりは地下のマグマが上昇してきたように感じられる。お偉方の信用失墜は大きな表層雪崩のように感じられ、大災害はそうした意識革命への契機になっている。その結果、日本には何が起こるだろうか。これから始まる日本の変化について、日本人はいまのところ五里霧中だが、やがて一段落すれば分かる。そして災害前と災害後の時代区分ができるようになり、そうした大きな日本の変化をうけて世界が変わる。・・・それより、日本では文化や風流の世界が大事で、近代を超えた芸術、幸福、教育、礼節の世界を内包した復興の話をしないと日本は日本でなくなる。日本はいずれそれをなしとげると思うが、そのことについてはまた機会を得て書くこととしたい。」
 日本屈指の頭脳の一人として今後も長くお元気に活躍されることを祈るばかりである。

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