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2012年4月

「イスラーム文化」を読んでみた

 岩波文庫の井筒利彦氏著「イスラーム文化−その根底にあるもの」を読んでみました。これは昭和56年に著者が行った公演をもとにした書籍だそうですが、約30年も前の本にもかかわらず、その内容は非常に示唆に富むものでした。文庫としては200ページ強の薄い本でしたが、話し言葉で書いてあるので比較的読みやすく、この週末になんとか最後まで集中力を切らさずに読むことができました。
 内容は機会があれば整理してみたいと思いますが、ここでは前書きで印象に残った部分だけを抜粋しておきます。
「かつて中国文化との創造的対決を通じて独自の文化を東洋の一角に確立し、さらに西欧文化との創造的な対決を通じて己れを近代化することに成功した日本は、いまや中近東と呼ばれる広大なアジア的世界を基盤づけるイスラーム文化にたいして、ふたたび同じような文化的枠組みの対決を迫られる新しい状況に入ろうとしているのではないでしょうか。」
 テレビや新聞では毎日、中近東に関するニュースが流れない日はありません。しかし考えてみると、自分自身ふりかえってみて、実際にイスラムの世界というものが殆ど分かっていないことに唖然とします。40歳をすぎ、2002年に仕事で中国に赴任しましたが、その時思ったのは「これまで中国について、本当に何も知らなかったな」ということでしたが、それと同じような事を、10年後の今、イスラム文化について感じています。
 「中近東はわれわれ日本人のいま生きている現実そのものの中に織り込まれているのです。・・・それがはっきり主体的に呑みこめないかぎり、イスラームを含む多元的国際社会なるものを、具体的な形で構想したり、云々したりすることはできないからであります。イスラームという宗教の性格、イスラームという文化の機構が根源的な形で把握されてはじめて、イスラームはわれわれ日本人の複数座標軸的な世界意識の構成要素としてわれわれのうちに創造的に機能することができるようになるでありましょう。」
 「人類全体が、現在、地球的規模で統一化への道を進みつつあることは、いまや誰の目にも明らかな事実であります。」と著者は言い切っています。思い切ったことを言うなと思いましたが、この本を読む限り、逆に文化の多様性はまだまだ途方もなく存在するという印象もあります。実際、違いが無くなることはないでしょう。一方で、ネットの世界が信じられないようなスピードで広がって、「情報の爆発」が起こっているアンバランス。情報が一昔前とは比較できない位のスピードで伝播していくというのは確かです。現代はまさに前代未聞の時代。それでも毎日の生活は「一見」何気なく昨日と同じように淡々とすぎていくように見えるところが面白いですね。

 

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ジャングルのパッション

 今年1月早々、クアラルンプールに行ってきたのですが、久しぶりに南国の風、空気を感じることができました。前職ではしばしばシンガポールに出張で出かけましたが、チャンギ空港を出るとすぐにムッとする湿気と熱風、そして南国特有の樹木が続く景色に、「あー、シンガポールに来たな」と気分のギアが切り替わったものでした。
 クアラルンプールの空港も、同様に「南の国」の雰囲気がムンムンしていました。街自体はシンガポールの方がずっときれいで整備されているのですが、ジャングルを切り拓いて作った街なので、生い茂る樹々の生命力が間近に感じられることは同様です。
 空港からKL市内に向かうバスを見つけると、ドアの前で18才くらいの男の子が切符を売っています。8リンギットを払ってバスに乗り込んで外をボヤっと見ていると、大きなゴミ箱を2人の女性が運んでいるのが目にとまりました。イスラム教のスカーフをしたまだ若い女の子達でしたが、屈託のない笑顔で話をしながら楽しそうにゴミを運んでいました。若い人が結構多いなという印象と、彼らの表情が印象に残りました。
 上海もそうなのですが、東南アジアの国々に行くと、「勢いがあるなあ」と感じます。そのパッションを取り込んで日本に帰国すると、日本の生活を客観的に見ることができます。私にとっては、それが旅に出るモチベーションになっています。「趣味は何ですか」と聞かれて、最近はあまり迷わず「旅行」と答えています。旅に出ると、頭がリフレッシュされ、日々の生活も客観的に見直して、新しい発見や考え方がわいてくるような気がします。その意味で、「身軽に移動できる」という状態を作ることは一つのポイントだと思っています。可動性、モバイル、ノマド等々のキーワードは、私の頭の中では全てここにつながっています。

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ペトロナスタワーの展望台からKL市内をのぞむ。

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HSBCのどたばた

 海外送金に都合がいいので、HSBCを利用していました。この銀行、日本での歴史も長いのですが、今般、日本におけるリテール業務から基本的に撤退することにしたようです。日経新聞によると、プレミア口座で富裕層の取り込みを狙ったものの、外資系銀行に馴染めない高齢者の預金獲得が思うように進まなかったのが背景にあると解説されていました。日本経済を外銀がどうとらえているのかも含め、個人的にはかなり興味があるのですが、実態はよく分かりません。
 それはともかく、口座を一定期間で整理しなければいけなくなったので、少しずつ手続きを進めています。昨晩も、自動継続になっている定期預金の、期日における元利金の取扱条件変更をインターネットバンキングで手続きしようとトライしてみました。しかし、変更メニューがどうしても見つかりません。ヘルプ画面でも「変更可能」となっているのですがどうも腑に落ちません。随分時間をかけて探したものの、らちがあかないので、今朝、仕方なくコールセンターに電話してみました。ついでに、変更画面が見つからないと聞いたところ、「定期預金新規受付の機能を停止した際に、変更機能をどうしても残すことができなかった。」とのこと。要は、変更の機能だけを残す開発はせずに、一気に定期預金関係のモジュールをはずしてしまったということのようです。ヘルプ画面の説明文の変更は手がまわっていなかったということでしょう。一応、その旨の表示はしておいた方がいいようですよと言っておきましたが、私自身、システムに関係した仕事をしているので、この辺の舞台裏はなんとなく想像がつきます。いずれにせよ相当ドタバタしているなという印象ですね。
 この銀行、海外のHSBCへの口座であれば、外貨も通貨を変えずにそのまま手数料なしでインターネットバンキングで送金できるので、大変便利だったのですが残念です。簡単にサービスを停止してしまうところは「外資」の面目躍如たるところで、それはそれで面白いなとは思うのですが。

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