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2017年6月24日 (土)

大学の経営

 折しも大学の許認可に関するゴタゴタが政局になっていますが、思い出すのは、末娘がクアラルンプールのインターナショナルスクールを卒業し、大学受験をしていた際に、オーストラリアのメルボルン大学等3校に出願した事です。
 この件は以前も記事を書いたのですが、結論から言うと、インターネットでマレーシアから願書、論文、資料を送付し、3校とも入学金を払えば入学可という所まで手続きが進みました。3校ともオーストラリアのトップクラスの大学、学部だったので、これはちょっとビックリというか、ある意味拍子抜けでした。欧米の大学は「入るのは簡単だが、出るのが大変」とよく言われますが、身をもって「なるほどなあ」と思った次第です。
 というのは、例えばこれらの大学と同じような日本の難関大学を、日本の普通の学生と一緒に受験したら、とても合格は困難。それがオーストラリアの名門大学には合格してしまったのは何故だろうという事ですが、おそらく、書類審査である程度のレベルが認められる学生は幅広に合格を出しているのだろうと思います。もちろん、高校の通常の成績を出させられる等、日本のように受験日一発の試験ではなく、その学生がどういう学生生活を送ってきたかが浮き彫りになるような構成になっています。末娘の場合は、上海のインターで幼稚園から小学校高学年まで過ごし、その後帰国して中学2年まで日本の学校、そしてクアラルンプールのインターを卒業、そこでは外国人として初めて生徒会長(?)をしたり、地元の雑誌に日本からの留学生という事でインタビューを受け、その縁でその出版社でインターンシップをさせてもらったりと、結構いろいろアピールするポイントがあったのですが、それらもしっかり受験資料に織り込む事ができました。論文も随分苦労して作文したものです。
 とはいえ、インターネットごしの審査でほぼ合格というのは、日本人の感覚としてはそれでいいの?と思ってしまいます。しかし、考えてみると「それでいいのだ!」と私なりに理解しました。というのは、上記のような審査の工夫をすることで、インターネットで世界中から広く人材を募集し、ネットを介した書類審査だけである程度のフィルターをかけつつ、多数入学させる事は、大学の経営の安定に(経済的に)大きく寄与します。その後、大学ではしっかりしたカリキュラムと教授で、やる気のある学生を育て、優秀な卒業生を輩出すれば、大学のレピュテーションも上がる事になります。学費が払えなかったり、やる気の無い学生、レベルについていけない学生はドロップアウトしていきます。ざっくり言うと、優秀な大学のステータスを保ちつつ、しっかり経営もしていくという合理的な仕組みになっているのだと思います。それに失敗すればその大学は傾く、あるいはつぶれる、そういう事です。
 といった経験を思い出しながら今の国内の様子を見ていると、日本独特の許認可制度にしばられた学校経営の課題が透けて見えてくるような気がしています。

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